
Introduction
「ストロベリーフィールズ」「青い青い空」「朝日のあたる家」「向日葵の丘 1983年・夏」と、太田隆文監督が描き続けてきたのは“家族の絆”や“次の世代に何を残すのか”という、人が生きていくうえで切り離すことの出来ないテーマ。本作「明日にかける橋 1989年の想い出」でも、そのテーマはこれまでの作品とはカタチを変えて描かれている。
人は「あの時こうしていれば」「なぜあんなことをしてしまったのか」と、過去を悔やみながら生きている。そして“現在”を生きるには、過去に思い通りに出来なかった理由を、言い訳をして今を工程しなければならないという悲しみも背負っていくしかない。
本作は、そんな過去の悲しみと後悔を背負った人生をやり直すために、主人公たちが奮闘する感動エンタテイメント。
出演者陣には、過去に辛い経験をして現代に生きている主人公・みゆきに「花とアリス」「軽蔑」など確かな演技で魅せる鈴木杏。みゆきの父親・冬樹には芸人・俳優・監督として幅広い活動を続ける異才・板尾創路、みゆきの母親・桐子に「向日葵の丘 1983年・夏」で太田組初参加から続けての出演となった田中美里。脇を固めるのは日本映画界の重鎮・宝田明、舞台に映画、バラエティ出演と幅広い活躍を続ける藤田朋子。さらにみゆきの高校生時代を演じるのはニューフェイス・越後はる香。他にも太田作品久しぶりの出演となる草刈麻有、富田佳輔などの若手俳優陣らが顔を揃える。
静岡県袋井市、磐田市、森町で全面ロケ、地元市民グループにより企画・製作された本作は、毎年袋井市で開催される「ふくろい遠州全国花火名人選抜競技大会」の花火大会の花火が物語のクライマックスを彩り、観る者の心の奥をしっかりと掴んで離さない1本となっている。 もしもあの時をやり直せるならば――「自分の人生は違うものになっていたかもしれない」 ――誰もが一度は思い描いたことを、本作では//映画のマジック//として見せてくれる。
本作は、そんな過去の悲しみと後悔を背負った人生をやり直すために、主人公たちが奮闘する感動エンタテイメント。
出演者陣には、過去に辛い経験をして現代に生きている主人公・みゆきに「花とアリス」「軽蔑」など確かな演技で魅せる鈴木杏。みゆきの父親・冬樹には芸人・俳優・監督として幅広い活動を続ける異才・板尾創路、みゆきの母親・桐子に「向日葵の丘 1983年・夏」で太田組初参加から続けての出演となった田中美里。脇を固めるのは日本映画界の重鎮・宝田明、舞台に映画、バラエティ出演と幅広い活躍を続ける藤田朋子。さらにみゆきの高校生時代を演じるのはニューフェイス・越後はる香。他にも太田作品久しぶりの出演となる草刈麻有、富田佳輔などの若手俳優陣らが顔を揃える。
静岡県袋井市、磐田市、森町で全面ロケ、地元市民グループにより企画・製作された本作は、毎年袋井市で開催される「ふくろい遠州全国花火名人選抜競技大会」の花火大会の花火が物語のクライマックスを彩り、観る者の心の奥をしっかりと掴んで離さない1本となっている。 もしもあの時をやり直せるならば――「自分の人生は違うものになっていたかもしれない」 ――誰もが一度は思い描いたことを、本作では//映画のマジック//として見せてくれる。
Story
主人公のみゆきは30代OL。とある田舎町で暮らしている。
弟・健太が交通事故で死んでから家族は崩壊。父は会社が倒産、酒に溺れる。母は病気で入院。みゆきが両親を支え働いている「現実はうまく行かないもの」と全てを諦めていた。
そんなある日。願いが叶うという明日橋を渡ったことでタイムスリップ。1989年に戻ってしまう。バブル全盛の時代。弟が事故で死んだ年でもある。そこで出会う若き日の両親。弟・健太も元気。まだ希望に溢れていた女子高生のみゆき自身。
もし、この時代に健太を救うことができれば、未来の家族が幸せになれるかもしれない。そう感じたみゆきだが、様々な困難が待ち構えていた…。
弟・健太が交通事故で死んでから家族は崩壊。父は会社が倒産、酒に溺れる。母は病気で入院。みゆきが両親を支え働いている「現実はうまく行かないもの」と全てを諦めていた。
そんなある日。願いが叶うという明日橋を渡ったことでタイムスリップ。1989年に戻ってしまう。バブル全盛の時代。弟が事故で死んだ年でもある。そこで出会う若き日の両親。弟・健太も元気。まだ希望に溢れていた女子高生のみゆき自身。
もし、この時代に健太を救うことができれば、未来の家族が幸せになれるかもしれない。そう感じたみゆきだが、様々な困難が待ち構えていた…。
Cast

鈴木 杏 Anne Suzuki
吉行みゆき役
1987年4月27日東京都出身。
子役時代から注目を浴び、テレビドラマ、映画、舞台、CFと幅広く活躍。2016年には舞台「イニシュマン島のビリー」「母と惑星について、および自転する女たちの記録」で第24回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞。主な映画出演に「花とアリス殺人事件」「軽蔑」など。舞台には「海辺のカフカ」「欲望という名の電車」など。2018年に蜷川幸雄三回忌追悼公演「ムサシ」がある。
子役時代から注目を浴び、テレビドラマ、映画、舞台、CFと幅広く活躍。2016年には舞台「イニシュマン島のビリー」「母と惑星について、および自転する女たちの記録」で第24回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞。主な映画出演に「花とアリス殺人事件」「軽蔑」など。舞台には「海辺のカフカ」「欲望という名の電車」など。2018年に蜷川幸雄三回忌追悼公演「ムサシ」がある。

板尾創路 Itsuji Itao
吉行冬樹役
1963年7月18日大阪府生まれ。
1986年にお笑いコンビ130Rを結成。独特な芸風と存在感で、芸人としてのみならず、俳優として映画、テレビ、舞台などで活躍。映画出演多数、映画監督作品には「板尾創路の脱獄王」「月光ノ仮面」「火花」がある。

田中美里 Misato Tanaka
吉行桐子役
1977年石川県生まれ。
1997年NHKドラマ朝の連続テレビ小説「あぐり」のヒロインに抜擢されデビュー。その後、数々の映画、ドラマ、舞台に出演。主な作品に映画では「みすゞ」「ゴジラ×メガギラスG消滅作戦」「家族の日」など。ドラマでは「利家と松~加賀百万石物語」「一弦の琴」、舞台では「かもめ」「写楽考」など。さらに韓流ドラマ「冬のソナタ」のチェ・ジウの声の吹き替えや、ナレーションでも活躍。その魅惑的な声で人々を魅了している。2018年公開作品には本作の他に「糸」「ずぶぬれて犬ころ」がある。
1997年NHKドラマ朝の連続テレビ小説「あぐり」のヒロインに抜擢されデビュー。その後、数々の映画、ドラマ、舞台に出演。主な作品に映画では「みすゞ」「ゴジラ×メガギラスG消滅作戦」「家族の日」など。ドラマでは「利家と松~加賀百万石物語」「一弦の琴」、舞台では「かもめ」「写楽考」など。さらに韓流ドラマ「冬のソナタ」のチェ・ジウの声の吹き替えや、ナレーションでも活躍。その魅惑的な声で人々を魅了している。2018年公開作品には本作の他に「糸」「ずぶぬれて犬ころ」がある。

越後はる香 Haruka Echigo
少女時代の吉行みゆき役
2000年10月19日兵庫県生まれ。
趣味・特技はチェロ、スキー、乗馬。2017年「ブラックリベンジ」(日本テレビ系)でドラマデビュー。オーディションで勝ち取った今作で映画デビュー。目力と品の良さが光る、今後が期待の新人。
趣味・特技はチェロ、スキー、乗馬。2017年「ブラックリベンジ」(日本テレビ系)でドラマデビュー。オーディションで勝ち取った今作で映画デビュー。目力と品の良さが光る、今後が期待の新人。

藤田朋子 Tomoko Fujita
里美先生役
1965年・東京都生まれ。
1987年。ミュージカル「レ・ミゼラブル」で初舞台。1988年にNHK朝の連続テレビ小説「ノンちゃんの夢」でヒロインに抜擢されドラマデビュー。映画は「ザ・中学教師」「築城せよ!」「向日葵の丘 1983年・夏」「無伴奏」「こいのわ 婚活クルージング」など。ドラマ、映画、舞台、バラエティ、ライヴ活動等、幅広く活動中。
1987年。ミュージカル「レ・ミゼラブル」で初舞台。1988年にNHK朝の連続テレビ小説「ノンちゃんの夢」でヒロインに抜擢されドラマデビュー。映画は「ザ・中学教師」「築城せよ!」「向日葵の丘 1983年・夏」「無伴奏」「こいのわ 婚活クルージング」など。ドラマ、映画、舞台、バラエティ、ライヴ活動等、幅広く活動中。

宝田 明 Akira Takarada
尾形社長役
1934年4月29日生まれ。旧満州ハルピン出身。
1954年第6期東宝ニューフェイスとして「かくて自由の鐘は鳴る」でデビュー。「ゴジラ」「青い山脈」「放浪記」など、映画出演は200本を超える。「あげまん」「ミンボーの女」「マルタイの女」などの伊丹十三作品にも出演。1964年『アニーよ銃をとれ』でブロードウェイミュージカルに挑戦し、芸術祭奨励賞を受賞。以後『サウンド・オブ・ミュージック』『風と共に去りぬ』『マイ・フェア・レディ』など数多くの主演をこなし、第6回紀伊国屋演劇賞、第10回ゴールデンアロー賞を受賞。2012年には自身の製作・演出・出演によるミュージカル『ファンタスティックス』を全国公演し、平成24年度文化庁芸術祭大賞を受賞。日本を代表するミュージカル俳優として不動の地位を築く。近年では全国各地で講演活動も積極的に行っており、1945年にソ連軍が侵攻してきた満州での悲惨な少年時代の体験を元に平和の尊さを説いている。2016年5月に『戦後70年日本映画平和賞』を受賞している。
1954年第6期東宝ニューフェイスとして「かくて自由の鐘は鳴る」でデビュー。「ゴジラ」「青い山脈」「放浪記」など、映画出演は200本を超える。「あげまん」「ミンボーの女」「マルタイの女」などの伊丹十三作品にも出演。1964年『アニーよ銃をとれ』でブロードウェイミュージカルに挑戦し、芸術祭奨励賞を受賞。以後『サウンド・オブ・ミュージック』『風と共に去りぬ』『マイ・フェア・レディ』など数多くの主演をこなし、第6回紀伊国屋演劇賞、第10回ゴールデンアロー賞を受賞。2012年には自身の製作・演出・出演によるミュージカル『ファンタスティックス』を全国公演し、平成24年度文化庁芸術祭大賞を受賞。日本を代表するミュージカル俳優として不動の地位を築く。近年では全国各地で講演活動も積極的に行っており、1945年にソ連軍が侵攻してきた満州での悲惨な少年時代の体験を元に平和の尊さを説いている。2016年5月に『戦後70年日本映画平和賞』を受賞している。

田崎伶弥 Ryoya Tasaki
健太役

草刈麻有 Mayuu Kusakari
アヤカ役

冨田佳輔 Keisuke Tomita
達也役

長澤 凛 Rin Nagasawa
寛子役

弥尋 Mihiro
大人の健太役

山下 慶 Kei Yamashita
桜井警部役(特別出演)

山本淳平 Junpei Yamamoto
吉野刑事役 (特別出演)

天玲美音 Mion Tenrei
高杉婦警役(特別出演)

亜湖 Ako
喫茶店のママ役

栩野幸知 Yukitomo Tochino
花火師・丈役

宮本弘佑 Kosuke Miyamoto
ユキヒコ役

岡村洋一 Yoichi Okamura
大豪寺役

嵯峨崇司 Takashi Saga
山田先生役

増田将也 Masaya Masuda
誘拐犯役

本間ひとし Hitoshi Honma
直次郎役

真木恵未 Emi Maki
CM女優役

遠藤かおる Kaoru Endo
キャスター役
Staff

太田隆文 Takafumi Ota
監督・脚本
1961年、和歌山県田辺市生まれ。USC(南カルフォルニア大学)映画科に学ぶ。帰国後、映画作家の大林宣彦に師事。2005年和歌山県田辺市を舞台にした青春ファンタジー「ストロベリーフィ ールズ」で劇場映画の監督デビュー、
2010年浜松で書道を題材にした「青い青い空」。2013年「朝日のあたる家」を発表。カンヌ映画祭のフィルムマーケット、アメリカのジャパン・フィルム・フェスティバルLAにも招待される。脚本は全てオリジナルで自身で執筆。「ストロベリーフィー ルズ」では映画の舞台となった和歌山県から「きのくに芸術新人賞」を受賞。大林宣彦監督も高く評価。大きな期待寄せている。
太田監督blog『「明日にかける橋 1989年の想い出」日記』
太田監督blog『「明日にかける橋 1989年の想い出」日記』
監督・脚本:太田隆文
アソシエイトプロデューサー:小林良二
撮影:三本木久城 照明:石川欣男 録音:植田中 美術:竹内悦子(A.P.D.J)
衣裳:丸山江里子 ヘアメイク:大久保恵美子 制作担当:酒井識人 助監督:富澤昭文
題字:大石千世 音楽:遠藤浩二 整音・効果:丹雄二
製作:「明日にかける橋」制作実行委員会・静岡朝日テレビ・富士コミニュケー ションズ
制作:青空映画舎
配給:渋谷プロダクション
アソシエイトプロデューサー:小林良二
撮影:三本木久城 照明:石川欣男 録音:植田中 美術:竹内悦子(A.P.D.J)
衣裳:丸山江里子 ヘアメイク:大久保恵美子 制作担当:酒井識人 助監督:富澤昭文
題字:大石千世 音楽:遠藤浩二 整音・効果:丹雄二
製作:「明日にかける橋」制作実行委員会・静岡朝日テレビ・富士コミニュケー ションズ
制作:青空映画舎
配給:渋谷プロダクション


映画「明日にかける橋 1989年の想い出」の舞台となるのは1989年ー平成元年である。その平成は今年で終わる。その意味で、この映画は平成の歴史を振り返る物語ともいえる。そんな平成元年にタイムスリップするストーリー。その1989年とはどういう時代であったのか? 紹介する。
何よりも日本が経済大国となったバブル最盛期。「ジャパン・アズ・ナンバー1」と呼ばれ、アメリカには日本車が溢れた。ロサンゼルスの高級ブランド街・ロデオ・ドライブでも日本人と分かると店員たちはもみ手で近づいて来た。海外では「日本人は皆、金持ち!」と思われていた。映画「ティファニーで朝食を」の舞台となるニューヨークのティファニー宝石店には日本人観光客が大挙して詰めかけ、その様子がニュースとなった。少し前の中国からの観光客が日本で爆買いした風景がダブる。あの時代は日本人がアメリカへ。今は中国から日本へ。時代の推移を感じる。その当時、ニューヨークのロックフェラーセンター、コロンビア映画を日本の企業が買収。その後、ユニバーサル映画も日本企業のものとなった(翌年の1990年)。映画ファンからすれば「アラビアのロレンス」「戦場にかける橋」「未知との遭遇」「クレイマー、クレイマー」「タクシードライバー」も「ET」「ジョーズ」「ジュラシックパーク」も日本企業が所有する作品となったのだ。
一方、東京はどうか? ワンレン・ボディコンのファンションが大流行。ジュリアナ東京を代表とするクラブ(ディスコ?)が大人気。扇子を持って踊る女性たちの映像がニュースでも頻繁に流れた。繁華街では人が溢れ、夜はタクシーが捕まらない。皆、気軽にタクシーを使う。大手企業ではタクシー券を使って出社という話も聞いた。Xmasのシティホテルは1年前から予約でいっぱい。グルメに、ファッション、「私をスキーに連れてって」とばかり、若者たちは毎年、新しいスキーウエェアーを購入して、スキー天国へ。大学生は卒業旅行と称して海外旅行。まさに金持ちの国・日本を感じさせる光景だった。
経済以外でも振り返ってみよう。1月7日 - 昭和天皇が崩御。昭和最後の日となった。2月9日 国民的漫画家・手塚治虫が死去。6月24日、美空ひばりが死去。11月6日には松田優作死去。昭和を飾った著名人たちが次々に亡くなった。一つの時代の終わりを感じさせた。4月、消費税3%に。そして任天堂の携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」 が発売開始。8月10日 - 第1次海部内閣発足。9月27日 には 横浜ベイブリッジが開通。
事件も振り返ってみよう。3月29日 - 女子高生コンクリート詰め殺人事件発覚。11月4日 - オウム真理教による坂本堤弁護士一家殺害事件。8月7日 宮﨑勤、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件を自供。海外では6月4日 ー北京で天安門事件。9月17日から10月2日、ソウル・オリンピック開催、11月10日 ーベルリンの壁崩壊。12月22日 ルーマニアのチャウシェスク政権崩壊。歴史に残る大きな事件が続いていた。
音楽でいうとローリング・ストーンズが久々に、全米コンサートツアーを開始。日本には翌90年に初来日。アメリカではマイケル・ジャクソン、マドンナ、ブルース・プリングスティーンが相変わらず人気だった。国内では80年代から続くアイドル系歌謡曲と「いか天」等に象徴されるバンド系が人気を博す。前者でいうと斉藤由貴、南野陽子、浅香唯、小泉今日子、森高千里、光GENJI。後者では爆風スランプ、プリンセス・プリンセス等。若い人たちはレンタルCDを借りて、カセットテープに録音して聴くというスタイルが多かった。レンタルビデオはまだVHSテープが主流。LDはほとんどレンタルされず、DVDの活躍はまだ先のことである。
しかし、バブル景気の最盛期である1989年も多くの地方にはまだ、その恩恵は届いていないところが多かった。テレビで都会の様子を見ても同じ日本の出来事とは思えず、東京のようにはしゃいではいられない人たちも多かったという。そんな地方のある町で、高校生生活を送る主人公・みゆき。そんな時代にタイムスリップする現代のみゆき。いかなる物語が展開するのか? 平成最後の年である今、それを見つめることで、いろんなことを感じることができるはずだ。
何よりも日本が経済大国となったバブル最盛期。「ジャパン・アズ・ナンバー1」と呼ばれ、アメリカには日本車が溢れた。ロサンゼルスの高級ブランド街・ロデオ・ドライブでも日本人と分かると店員たちはもみ手で近づいて来た。海外では「日本人は皆、金持ち!」と思われていた。映画「ティファニーで朝食を」の舞台となるニューヨークのティファニー宝石店には日本人観光客が大挙して詰めかけ、その様子がニュースとなった。少し前の中国からの観光客が日本で爆買いした風景がダブる。あの時代は日本人がアメリカへ。今は中国から日本へ。時代の推移を感じる。その当時、ニューヨークのロックフェラーセンター、コロンビア映画を日本の企業が買収。その後、ユニバーサル映画も日本企業のものとなった(翌年の1990年)。映画ファンからすれば「アラビアのロレンス」「戦場にかける橋」「未知との遭遇」「クレイマー、クレイマー」「タクシードライバー」も「ET」「ジョーズ」「ジュラシックパーク」も日本企業が所有する作品となったのだ。
一方、東京はどうか? ワンレン・ボディコンのファンションが大流行。ジュリアナ東京を代表とするクラブ(ディスコ?)が大人気。扇子を持って踊る女性たちの映像がニュースでも頻繁に流れた。繁華街では人が溢れ、夜はタクシーが捕まらない。皆、気軽にタクシーを使う。大手企業ではタクシー券を使って出社という話も聞いた。Xmasのシティホテルは1年前から予約でいっぱい。グルメに、ファッション、「私をスキーに連れてって」とばかり、若者たちは毎年、新しいスキーウエェアーを購入して、スキー天国へ。大学生は卒業旅行と称して海外旅行。まさに金持ちの国・日本を感じさせる光景だった。
経済以外でも振り返ってみよう。1月7日 - 昭和天皇が崩御。昭和最後の日となった。2月9日 国民的漫画家・手塚治虫が死去。6月24日、美空ひばりが死去。11月6日には松田優作死去。昭和を飾った著名人たちが次々に亡くなった。一つの時代の終わりを感じさせた。4月、消費税3%に。そして任天堂の携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」 が発売開始。8月10日 - 第1次海部内閣発足。9月27日 には 横浜ベイブリッジが開通。
事件も振り返ってみよう。3月29日 - 女子高生コンクリート詰め殺人事件発覚。11月4日 - オウム真理教による坂本堤弁護士一家殺害事件。8月7日 宮﨑勤、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件を自供。海外では6月4日 ー北京で天安門事件。9月17日から10月2日、ソウル・オリンピック開催、11月10日 ーベルリンの壁崩壊。12月22日 ルーマニアのチャウシェスク政権崩壊。歴史に残る大きな事件が続いていた。
音楽でいうとローリング・ストーンズが久々に、全米コンサートツアーを開始。日本には翌90年に初来日。アメリカではマイケル・ジャクソン、マドンナ、ブルース・プリングスティーンが相変わらず人気だった。国内では80年代から続くアイドル系歌謡曲と「いか天」等に象徴されるバンド系が人気を博す。前者でいうと斉藤由貴、南野陽子、浅香唯、小泉今日子、森高千里、光GENJI。後者では爆風スランプ、プリンセス・プリンセス等。若い人たちはレンタルCDを借りて、カセットテープに録音して聴くというスタイルが多かった。レンタルビデオはまだVHSテープが主流。LDはほとんどレンタルされず、DVDの活躍はまだ先のことである。
しかし、バブル景気の最盛期である1989年も多くの地方にはまだ、その恩恵は届いていないところが多かった。テレビで都会の様子を見ても同じ日本の出来事とは思えず、東京のようにはしゃいではいられない人たちも多かったという。そんな地方のある町で、高校生生活を送る主人公・みゆき。そんな時代にタイムスリップする現代のみゆき。いかなる物語が展開するのか? 平成最後の年である今、それを見つめることで、いろんなことを感じることができるはずだ。
ヒット曲
プリンセス・プリンセス「Diamonds (ダイアモンド)」「世界でいちばん熱い夏」
Wink「愛が止まらない ~Turn It Into Love~」「淋しい熱帯魚 ~Heart On Wave~」
長渕剛「とんぼ」
光GENJI 「太陽がいっぱい」
工藤静香「恋一夜」「嵐の素顔」「黄砂に吹かれて」
斉藤由貴:「夢の中へ」
森高千里:「17才」
浜田麻里:「Return to Myself ~しない、しない、ナツ。」
渡辺美里:「ムーンライト ダンス」
爆風スランプ「ランナー」
小泉今日子「学園天国」(愛しあってるかい?主題歌)
薬師丸ひろ子「Lovers Concert」
Wink「愛が止まらない ~Turn It Into Love~」「淋しい熱帯魚 ~Heart On Wave~」
長渕剛「とんぼ」
光GENJI 「太陽がいっぱい」
工藤静香「恋一夜」「嵐の素顔」「黄砂に吹かれて」
斉藤由貴:「夢の中へ」
森高千里:「17才」
浜田麻里:「Return to Myself ~しない、しない、ナツ。」
渡辺美里:「ムーンライト ダンス」
爆風スランプ「ランナー」
小泉今日子「学園天国」(愛しあってるかい?主題歌)
薬師丸ひろ子「Lovers Concert」
洋画
「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」「ブラック・レイン」「危険な関係」「13日の金曜日PART8/ジェイソンN.Y.へ」「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」「スタートレックV 新たなる未知へ」「ザ・フライ2 二世誕生」「 ミシシッピー・バーニング」「レインマン」「告発の行方」「ダイ・ハード」「ミステリー・トレイン」「 セイ・エニシング」「ハーレム・ナイト」「ロジャーラビット」「ツインズ」「星の王子ニューヨークへ行く」「3人のゴースト」
邦画
「北京的西瓜」「帝都大戦」「どついたるねん」「ゴジラvsビオランテ」「ファンシイダンス」「レディ!レディ READY! LADY」「男はつらいよー寅次郎サラダ記念日」「魔女の宅急便」「釣りバカ日誌」「利休」「オルゴール」「彼女が水着にきがえたら」「座頭市」「226」「丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる」
テレビドラマ
「教師びんびん物語2」「愛しあってるかい?」「君の瞳に恋している」「春日局」「池中玄太80キロⅢ」「同級生」「ハートに火をつけて!」
流行語
「24時間戦えますか?」「オバタリアン」「イカ天」「こんなんでました」「NOと言える日本」「一杯のかけそば」「カイワレ族」「5時から男」「ツーショット」「ほたる族」
北海道・東北地方
北陸・甲信越地方
四国・中国地方
九州・沖縄地方